株式会社ジーテック

制御機器を小ロット多品種で設計製作

3Dプリンターの材料評価

試作、小ロットでの設計製作を生業としていると3Dプリンターで造形して納品、検証という事は頻繫にあります。
しかし強度に関する資料は見当たりません。また、数百万円する金属用の3Dプリンターであっても強度に関するドキュメントは少なく、スタッフは航空機メーカーでも採用されていますとしか答えてくれません。
ドキュメントと実験映像があり、裏付けとなる根拠があるうえでランニングコスト、メンテナンス性が良いのか?という流れを経て予算の検討になるのが普通の流れと思います。

展示会で営業に話を聞いている感じでは「航空会社でも採用されています。」「自動車メーカーでも採用されている」「最新の機械です。」としかいいません。強度について質問をしても問題ありません。という回答で、強度に関してどれだけ真面目に対応しているのか?という姿勢は1社も居ませんでした。(2023年秋現在)客先等で3プリンターを使っている会社もありますが、結局5~20万円程度の3Dプリンターを購入し、自分で試行錯誤しながらメンテナンスするのがベストなようです。数百万円の機械を使い場合は、結局切削加工又は、板金加工で部品を作ったほうが安いです。

そんなわけでいつも使用している3Dプリンターで試験体を製作し、引っ張り試験を行ってみました。試験結果のパラメータをSolidworksに入れてシュミレーションできる結果を得たわけではありませんが、3次元CADが無かった時代にこの使い方ならこの材料。という風に感でモノづくりをしている人にはとても良い結果だと思います。

試験は3Dプリンターの製作サイズに合わせたため、少々小さい試験体となっています。詳細はPDFファイルをダウンロードしてください。 DownLoad

材料がどのように破壊するのか?という点は各グラフを参考にしてほしいと思います。この資料も詳細は先ほどのダウンロードしたPDFを見てください。
金属も参考に試験していますが、レーザー痕があるにも関わらず良い数字が出ています。強度を上げるために表面処理に数万円予算を割くのは無駄のように思います。

特記すべきはカーボン入りナイロンで139.35MPaと断トツです。
しかし大きなデメリットとしては価格でこの試験体を製作するうえで材料費が21.78USD(2024年4月現在では3376円)かかっています。ちなみにアルミの材料は1520円です。厚みが違うとはいえ価格の面では選定に非常に迷います。また、ナイロン材は吸水して強度が下がる特性がありますので、組み付けについて警戒する必要があります。

通常金属の場合、新品の部品の場合はすり合わせ作業を行って組立していきますが、ナイロン部品の場合、いったんバラしいて組立する際には強度が変わっているために再度すり合わせ、ねじ穴などは破損してしまう事もありました。なのでナイロン材に直接タップを立てることが3Dプリンターの場合よく考えて締結方法を考えなければなりません。
また、カーボン入りナイロンの試験体はインフィル(空洞化設定)をしておらず、100%身が詰まっています。比較すべきは一番下のABSインフィル100%の試験体で、4倍の強度という感じでしょうか。デフォルトのインフィル15%又は20%と比較した場合10倍になります。
やはりアルミなどの金属材料は10年以上の物作りをやっている人にとって採用しやすく、3Dプリンターで製作した部品を採用するのはカバー又は形状検討するための模型などの部品にとどめる事が望ましいでしょう。

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